3、健康と看護
看護学概説('16)、3回目の講義を受講しました。
今回の担当講師は、主任講師の井上洋士教授です。放送大学テキストの著者としても、名を連ねています。

人々の健康と看護
まず、「看護」の定義の代表例として、日本看護協会の定義、そしてアメリカ看護協会(ANA)の定義を引用しています。
どちらの定義にも「健康」という言葉が入っているのですが、ではそもそも「健康」とは何かという点について、まずは世界保健機関(WHO)の定義を紹介しています。
さらに、近年ではスピリチュアルな側面、ダイナミックな側面にも着目していく動きがみられるという状況だそうです。

疾病予防とヘルス・プロモーション
ここでは、まず予防についての3つのレベルについての説明がありました。
それぞれ一次予防・二次予防・三次予防があるのですが、近年では疾病予防を超えて、「その人の健康を最適な状況に持っていく」というヘルス・プロモーションの考え方がさらに重要になってきているそうです。

医学モデルから生活モデルへ
このパートでは、まず「医学モデル」の説明があります。
そして、現在では徐々に「生活モデル」への転換が起こっており、それは健康づくりへの活動の変化にも影響を及ぼしているということが、述べられています。

看護の実践の対象と目標
看護は、歴史とともに変化してきています。単に患者の世話をするというだけでなく、患者のQOL(生活の質)の向上も求められてきています。
そういった中、看護に求められるものは何か、今一度考えてみてもいいかもしれませんね。

急性期にある人への看護
急性期の患者は、今までに述べたことを前提としながらも、さらに細かく考えて行く必要がある、と教授はおっしゃいました。
人間には本来、ホメオスタシス(恒常性)が備わっています。
しかし、「侵襲」によってホメオスタシスが害された場合の看護は、ホメオスタシスを前提とした看護とはまた違った対処や処置が必要なのは、言うまでもありませんよね。

まとめ、今後の課題について
残りの講義時間では、今回講義の中で触れたことのまとめや、これからの看護と健康の関係についてのお話がありました。
近年、「災害看護学」や「国際看護学」などの新しい分野が登場するなど、ますます看護については広がりをみせ、そして「健康」の捉え方も広がっています。
そして最後に、ますます広がる看護の可能性と、健康の新しい考え方について、どのように繋げたらいいのかという点について、2つのポイントをお話して下さいました。

(放送大学「看護学概説('16)」のラジオ講義放送は、毎週水曜20:45~21:30です!)